復旧工事を開始した名松線の伊勢奥津駅は今!

鉄道ジャーナリスト・中嶋茂夫が綴った「復旧工事を開始した名松線の伊勢奥津駅は今!」です。

鉄道に関する取材依頼・講演依頼はこちら

復旧工事を開始した名松線の伊勢奥津駅は今!

2013年8月14日に2013年5月に復旧が決定したJR東海・名松線に乗車しました。
鉄道ジャーナリストの中嶋茂夫です。

2009年10月の台風により家城駅〜伊勢奥津駅までの区間が、路盤の土砂流入や盛土流出だけでなく、橋梁や路盤の脆弱性が発覚し、すぐに運行再開と行かなくなって3年以上が過ぎてしまいました。

拙著「山手線と東海道新幹線では、どちらが儲かっているのか?」でも言及したのですが、JR東海が鉄道会社として輸送密度が極端に低い名松線の家城〜伊勢奥津を鉄道で復旧することは、莫大な復旧費用がかかることから現実的ではないと述べました。
実際、3年以上にわたり代行バスによる運行を継続していたのですが、2013年5月15日に驚く発表がありました。

それが、JR東海のプレスリリース「名松線(家城駅〜伊勢奥津駅間)復旧工事の着手について」です。

この決定に至ったのは、名松線沿線の三重県と津市が、名松線に関わる治山事業と水路整備事業を進めることを決定したからです。
JR東海もそれに呼応する形で鉄道の復旧を担当することになりました。費用は4.6億円を見込んでいます。


名松線家城駅

現在の名松線の鉄道執着駅である家城駅とキハ11-4。
この車両には家城〜伊勢奥津の代行バスに乗り込むJR東海のスタッフが乗り込んでいました。
JR東海のスタッフは、代行バスの乗客の運賃の受取を担当しています。


名松線路盤

代行バスから見た伊勢八知〜比津の間の鉄道路盤状況。
土砂が流入した箇所が十箇所以上に上ります。


伊勢奥津駅の代行バス

伊勢奥津駅に到着した代行バス。
この日は12:33に到着し、13:21の出発までバスの運転手とJR東海のスタッフは休憩となります。


伊勢奥津駅のホーム

伊勢奥津駅のホームは立ち入り禁止です。
線路には雑草が生え、長期間放置されていることがわかります。
代行バスの区間の踏切の棒は撤去され、線路内に入れないようにロープがはられています。


家城発12:33→伊勢奥津着13:21の代行バスに乗車しました。
家城で乗車したのは、ご年配の女性と私の2人だけ。この女性も伊勢八知で下車し、伊勢八知から伊勢奥津までは私1人だけになってしまいました。
伊勢奥津駅で下車の際に、JR東海の職員に伺ったところ、平日の朝は家城と松阪の高校に通う高校生の通学利用があるそうです。
機会を伺って、朝の通学時間帯にも乗車して、利用状況を確かめたいと思いますが、使われているバスの状況からバス1台で十分な乗客しかいないのでしょう。
伊勢奥津駅の近辺には、名松線の復旧を望む看板があちらこちらで見かけました。
しかし、休みのためか、駅近辺に人は全くおらず、また、伊勢奥津駅に名松線の利用を呼びかけるビラがあるわけではなく、さらに地方自治体の協力体制の元、名松線の利用促進に取り組まないと、一部の人だけが盛り上がって終わる危険性があると感じました。

沿線では「名松線を元気にする会」が名松線を盛り上げていますが、地元への定着が未知数なのが気がかりです。
2013年9月22日に「伊勢本街道奥津宿の陣」というタイトルで地域と名松線の大々的なイベントが名松線を元気にする会主催で開催されます。
9月22日は私も取材に出かける予定です。